多焦点眼内レンズとは
眼内レンズの詳細
眼内レンズは、白内障手術で吸い出した濁った水晶体の代わりとなる“人工水晶体”です。
手術で挿入する眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。
※レンズにはループと呼ばれる支持部が付いており、全長は13mmです。
手術で挿入する眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。
※レンズにはループと呼ばれる支持部が付いており、全長は13mmです。
眼内レンズの種類について
単焦点レンズを選択した場合、ピントを合わせる調節力がないため、遠くにピントを合わせると手元あたりが、手元あたりにピントを合わせると遠くが見えにくくなります。
ピントが合わない距離を見るためには、眼鏡装用が必要となります。多焦点眼内レンズであれば、手元から遠くまでスムーズにピントが合うため、眼鏡をかける頻度を減らすことができます。ただし、眼鏡をかけた方が楽に見える場合もありますので医師と良く相談してください。
※注意:目の状態によって、眼内レンズの種類が選択できない場合もあります。
レンズの比較
外観 | |||
名称 | ReSTOR レストア | TECNIS MULTIFOCAL テクニスマルチ | TECNIS Symfony シンフォニー |
光学部デザイン | アポタイズ回折型 | 2焦点回折型 | エシェレット回折型 |
ピント | 2焦点:遠・近 (∞・30cm) (∞・40cm) (∞・50cm) | 2焦点:遠・近 (∞・30cm) (∞・40cm) (∞・50cm) | 広い焦点 遠から中 (∞-50cm) |
乱視矯正 | 〇 | × | 〇 |
ハロー・グレア | あり | あり | あり |
コントラスト感度 | △ | △ | 〇 |
白内障について
水晶体は目の中でレンズの役割をする組織です。水晶体が濁ると網膜にまで光が十分に通らなくなります。
正常
水晶体が透明だと網膜まで光が通ります
白内障
水晶体が濁っていると、光が通りにくくなります
手術の流れ
手術確定
- 日常生活においての制限はありません。普段通りにお食事などしてください。
- 手術の3週間前に術前検査と診察を行い、手術や術後の注意点についてご案内いたします。
- 手術3日前から手術をする眼に抗菌薬の点眼を指示通りに行っていただきます。
手術当日
- 手術前日の入浴や洗髪について制限はありません、しっかりと行って下さい。
- 担当医師から内服などの指示が出ている場合は忘れずに服用してください。
- 当日、当院にて洗顔をおこなっていただきますので、女性の方はお化粧をせずにご来院ください。
- ご来院いただいて、血圧や体温測定を行います。体調が優れない場合はすぐにお申し出ください。
- 手術担当医師の診察後に、手術を行います。
- 術後は眼の保護のため眼帯をつけますので、送迎についてはご家族様とご相談ください。
手術翌日
- 術後につけた眼帯は翌日まで外さずに来院してください。来院されたときに眼帯を外します。
- 術後の経過観察のために各検査と診察を行います。
- 診察後に点眼薬をいくつか処方します。点眼薬については予後を見て種類や本数が減っていきます。
手術3日目
- 経過観察のため、視力や眼圧など各種検査を行います。
- 散瞳を行うので半日は外界が見えづらくなります。送迎についてはご家族様とご相談ください。
- 処方した点眼は担当医師の指示に従い、欠かさず継続してください。
一週間以降
- 術後1週間後にご来院いただき、経過観察の各種検査を行います。
- だいたい2週間ほどすれば術後の状態も安定して日常生活をおくれるようになります。
- 一般的には3ヶ月から半年は定期的な経過観察の受診をお願いしています。
- 術後の感染症リスクもありますので、医師の指示通りの受診をお願いしています。
- 経過観察は術後の状態をみて回数や頻度の間隔を空けていきます。
- 処方した点眼は欠かさず、必ず使用を継続してください。
手術について
白内障の手術は主に濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、眼内レンズを入れるという方法で行われています。白内障が進行して、核が固くなっている場合は、水晶体の核を丸ごと取り出すこともあります。また、手術後に眼内レンズを入れるので、乱視に対応することも可能です。
生命保険の手術給付金、医療控除について
手術給付金
手術給付金とは、医療保険に加入している方が、病気やケガで手術を受けた場合に支払われるお金のことです。保険会社によっては、対象手術や限度設定をしている場合もあるため、保障内容については加入されている保険会社に契約の内容などをしっかりと確認を行って下さい。保険会社へ請求をする際の診断書につきましては、保険会社の専用フォーム・当院の書式での診断書など対応いたします。診断書の発行は有料となりますので、ご理解下さい。
医療費控除
医療費控除とは、原則として前年1月1日から12月31日まで1年間の医療費が合計10万円を超えた額を所得税から控除する制度です。控除対象となるかは収入や所得によってそれぞれ異なりますので、詳しくは税務署にもご確認下さい。毎年確定申告の時期に必要書類として治療費や手術費・お薬などのレシートや領収書、手術給付金の書類などの提出が必要となりますので、大切に保管して下さい。